美しすぎる狼
■過去を忘れてとは言わない。
あなたの未来にわたしを置いてほしいだけ。
■「あなたは心を失った王子さまね」妻を亡くしたあと山奥でひっそり暮らしているタイラーは、都会からやってきた情熱的な美女にそう言われてはっとする。
アンナはタイラーの母親が勤める美術館の新任学芸員だ。
その彼女が雪の降るなかを訪ねてきたのは、きっと、妻の命日を一人で過ごす息子を心配した母の差し金に違いない。
悲しみの癒し方は人それぞれなのに……。
一方アンナは、タイラーに会うたび胸がどきどきしていた。
でも、彼の心には亡き妻以外の女性が入る余地はない。
憧れても、おとぎばなしのような奇跡は訪れないのだ。
ところが、激しくなった雪がふたりを山小屋に閉じこめた。
アンナは緊張し、普段以上におしゃべりになって、不安と期待を抱いた――なにかが起こるかもしれない。
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