夢遥か、バハマ
私は、とうとう来てしまった。
マイアミの空港の雑踏の中で、マティは迎えに来るはずの男性を待っていた。
彼の名はデイモン・クイン。
八年前、大学で出会い、マティがひそかにあこがれてきた人だ。
故郷のミネソタからマイアミ、そしてデイモンと空港で会い、彼が住むバハマの島に渡る…。
小児科の看護婦として地元の病院に勤め、友人にも恵まれ、平穏に暮らしてきたマティの人生が、大きく変わろうとしていた。
二十七歳の誕生日に、友人たちとシャンパンを飲み、大学の校友会新聞に載っていた、赤ん坊の世話ができる妻を探しているというデイモンの記事に、酔った勢いで応募してしまったのだ。
電話で事情を聞き、彼の妻になるためにここに来たものの、マティにはまだ迷いがあった。
彼との結婚が、裁判で赤ん坊の養育権を勝ち取るためのものであることに…。
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