薔薇の香りに包まれて
優しさが欲しい。
心からの愛が欲しい。
薔薇の香りの中で私を抱き締めて。
■こんなにも愛することができ、こんなにも悲しむことがあるなんて。
ブルックは、ジャスティンを養子にして本当の愛と悲しみを知った。
内戦にまきこまれて両親を失った赤ん坊を育ててきたけれど、この二年間に何度も繰りされた手術の費用がかさみ、元婚約者のクラークに頼んで家を売ってもらうしかなくなった。
見栄っぱりなクラークはブルックをオークション会場に連れていったが、話を聞き終わるなり、知り合いの美女を見つけて姿を消してしまった。
惨めさに押しつぶされていると、隣席の男が近づいてきた。
どこか見覚えのある目をした男性は、信じられないほどハンサム。
見捨てられた女をからかいに来たとも思えない。
ブルックは言いようのない不安とともに、胸の中で彼にすがった。
どうぞ、私の心をささえて……。
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