三週間で仕事も恋も
仕事を断ったら脅迫まがいの脅しをかけて、いったい彼は何様のつもりなの!■椅子の張り替えから始まったインテリアの仕事だったけれど、サフランは今やかなり売れっ子になり、店も出せるようになっていた。
ある日、忙しい時期に舞い込んだ依頼を、サフランは断ってしまうが、相手は、改装を手がけた屋敷のパーティで会ったフレイザーだった。
彼は巨大企業の経営者で、断られた別荘の内装をぜひ頼みたいという。
依頼もさることながら、彼女への興味も大きいようだ。
サフランの気持は揺れた。
三十五歳で独身、その地位からすれば結婚していてもおかしくない。
なのにまだ、群がる女性のなかから妻を選ぶ気などないらしい。
仕事一途で励んできて、これからもっと発展させようというとき、フレイザーの出現は、彼女にとって悩みの種でしかなかった。
彼の強引な脅迫まがいの依頼に屈したわけではないけれど、サフランは三週間の期限つきで承諾せざるをえなくなる。
こうしてふたりは別荘のある孤島へ出かけることになった。
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