南の島で抱きしめて
婚約者と訪れたカウアイ島で、出逢ってしまった‘運命の人’……■イベント会社を営む恋人・彰に誘われて、大事な取引先を接待するハワイツアーに同行した映像クリエイターの尚美。
仕事に行き詰まりを感じていた矢先、良い気分転換になるはずと旅に臨んだ尚美だったが、近々夫となる彰は、取引先との付き合いで忙しく、尚美のことはそっちのけ。
諸島最北端のカウアイ島にやってきても、一人取り残される有り様だった。
業を煮やした尚美は、ゴルフコンペが済んでホノルルに戻るという彰に、別行動を申し出る……こうして次の接待パーティまでの間、自由時間を得た尚美だったが、やりたいことがあるわけでもなく、開放感を満喫するどころか、心細さを募らせていた。
と、日本人観光客などほとんどいないカウアイで、尚美の耳に日本語が飛び込んでくる。
半世紀以上も前の恋人を探してこの島にやってきた老婦人・京子と、その孫・丈志との出逢いだった――。
満たされない心を埋めた一期一会。
叶わなかった恋の記憶を辿る島巡り。
知的な魅力を放つ丈志の胸にも刻まれていた愛の傷痕……そして、二人でグラスを交わした後、丈志がそっと唇を寄せてきて……!?(ヴァニラ文庫うふ)
更新中です。しばらくお待ちください。