ヴァンパイアの蜜牙?薔薇守娘は情欲に囚われて?
どうか、私の中に……。
私を、もっともっとあなた様のものにしてくださいませ……。
■月明かりの下、美しく野性的な男に犯されて――シエラ国で代々薔薇守を務める一家の一人娘、マリアは時折見るそんな淫夢に戸惑っていた。
キスもまだの自分がいったい誰と…? やがて父ダリルのもとで修業を続け、正式な薔薇守の後継者となったマリアはついにその相手を知ることになる。
それは、三百年ほど前にこの国を治めていた王ゲイン。
突如、攻め入ってきた敵から民を守るためにヴァンパイアとなって戦い、その後自らを荊の森に封印し、歴史の表舞台から姿を消した伝説の王ゲインこそがマリアの想い人だった。
禁戒を破って荊の森へと忍び込んだマリアは、一匹の黒猫に導かれるまま城の中、ゲインの眠る棺へと。
そうして、眠りから目醒めたゲインに貪るように抱かれ、生まれて初めての甘い愉悦に溺れてしまう。
だが、ゲインはかつて愛していた薔薇守娘マリアンヌとマリアが瓜二つであったため間違えて抱いてしまっただけ。
たとえ身代わりでもいい。
マリアはゲインのそばにいさせてくれと乞い願い……。
秘せられたヴァンパイア王との禁断の逢瀬。
めぐる運命のロマンス。
(ヴァニラ文庫うふ)※本作品にはイラストが収録されていません。
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