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犬と呼んでよ俺の姫!

西門雷蔵は誰もが認める犬系男子。
そして、幼なじみの名家の若様、姫野紫信に毎日手作り弁当を届ける弁当男子。
一緒にご飯を食べて、姫野さんが喜ぶ顔を見られればそれで幸せ、それで満足……のつもりだったけど。
気付かないふりをしていても、時間は確実に進んでる。
今は一緒、だけど姫野さんが高校を卒業しちゃったら? 大人になったら?「俺はいつまであの人を、追いかけて行けるんだろう」わからないから不安になる。
不安になるから、証が欲しくなる。
見える形で欲しくなる。
寄り添っているはずなのに、微妙にすれ違う気持ちが焦れったい。
もどかしい。
それを吹っ切るべく雷蔵は、バレンタインの直前に一念発起。
「姫野さんにチョコレートをあげよう!」ところが。
チョコレート代を稼ぐべく出かけたバイト先の神社の蔵で、見つけてしまった怪しげな勾玉。
意味深なお札をうっかり剥がしてしまったもんだからさあ大変、本物の犬に姿を変えられてしまった。
呪われた瞬間、心に浮かんだ最も強い願いを叶えない限り元には戻れない。
タイムリミットは翌日の日没、それを過ぎたら一生犬のまま!「姫野さん助けて、俺だよ雷蔵だよ!」叫んでもすがってもただの犬、全然わかってもらえない。
それどころか怖がられる、泣かれる、逃げられる。
追いすがれば何故だか不幸な偶然が重なって、引き離される、遠ざかる。
焦る間もどんどん時間は過ぎて行く。
誘惑の手も伸びてくる。
「男同士がくっついてたら変に思われる。
だけど犬と飼い主なら平気だよ? ずっと彼と一緒にいたいんでしょ?」追いつめられる中、果たして雷蔵の選ぶ未来は犬か、人間か?「俺は、姫野さんの犬だ!」




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