無茶勘第17弾!越前大野藩主松平直良は、国帰りの折、高齢(七十四歳)から病いに伏し、帰府が遅れていた。<br />延宝五年(一六七七)十一月、病い癒えた直良の将軍拝謁の日。<br />藩御耳役の落合勘兵衛は、江戸留守居役の松田与左衛門から、逼迫した藩財政の現状を聞かされた。<br />飛び領地の不正と、新銅山開発投資が主因──と。<br />やがて藩滅亡の新たな危機が……