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小料理のどか屋 人情帖

命まで取られねえから、攻めるときは攻めろ。
迷いを断って大勝負!のどか屋の千吉は十六歳。
顔は幼いが料理は大人の味。
惹かれる手伝い娘おように他所から急な縁談が……。
迷った末に出した決意は?のどか屋の常連、幕府黒四組のかしら安東満三郎が千吉らの前で言った──。
おれも女房に声をかけるとき、迷った末に前へがっと進んだ。
おれから声をかけたんだ。
習いごとの帰りによくすれ違ってたから。
あん時に吹いた風をまだ憶えてる。
風が背中を押してくれたような気がした。
ここを逃して、そのままべつべつの向きへ歩いて行ったら、もう縁はねえと思った──。
本書に登場する小料理・鰯の雪花菜和え ・油揚げのどか丼 ・大根のほっこり蒸し・海老三色煮 ・牡蠣の柚子釜づくり ・金目鯛紅白鍋・寒鰤の味噌照り焼き ・鯖の味噌煮 ・寒鰈の三種盛り ・柿釜




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