小説 真景累ヶ淵
執念いヤツらめ一人の人間が堕ちてゆく 死出の旅圓朝の大作を濃厚に煮つめ、小説へと昇華した作品である/古今亭菊之丞――この後女房を持てば 七人まではきっととり殺すからそう思え。
父を旗本に殺されたまま解決もできず、妹も奉公先で惨殺されてしまったお志賀。
それから十七年、音曲の師匠豊志賀として生きてきた。
稽古はにぎわっていたが、子ほども歳の離れた新吉と男女の仲になり、あまりの入れ揚げぶりに弟子たちも次第に離れていってしまう。
そんな中でも通い続けていたお久に嫉妬したためか、顔に腫物ができてしまう。
悪化する腫物とともに憎悪ももつのらせ、ついには呪詛の言葉を遺して死んでしまう。
新吉は恐れおののきながらお久と下総に駆け落ちをするのだが――松浦シオリ・装画名作落語にあらたな命を吹き込む、シリーズ第一弾!古典落語の大名跡・三遊亭圓朝が創作した代表的作品のひとつ『真景累ヶ淵』を、時代小説の名手奥山景布子が小説化。
人間の業の深さ、血縁と因縁が複雑に絡み合った愛憎劇を、時代小説として再編。
人物関係図、解題を付す。
本作には古今亭菊之丞が監修を行う。
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