延宝四年(一六七六)将軍家綱治政下、越前大野藩は次期藩主松平直明(なおあきら)廃嫡の危機に迫られていた。<br />大老酒井忠清の謀略である。<br />そんな折、同藩御耳役落合勘兵衛は、大目付大岡佐渡守忠勝の呼び出しを受けた。<br />二人きりで会いたい──と。<br />藩随一の剣の使い手勘兵衛に、大岡はいかなる秘密、真相を語るのか? 傑作長編読切の第11弾。<br />