ムショぼけ
発売前に地上波連ドラ化決定!衝撃の一冊。
祝!地上波テレビ連続ドラマ化決定!!大阪刑務所の門の前に、40過ぎの男がひとり立っていた。
陣内宗介、元ヤクザ。
14年ぶりのシャバだ。
ジギリ(組のために身体を張ること)で銃を握って長期服役したのに、5000万円の見返りどころか、組を破門になった。
妻も子供も離れていった。
絵に描いたような、社会のおちこぼれだ。
陣内は還暦すぎたオカンと2人暮らしを始め、カタギになった元若頭の内装屋で仕事を始める。
ユーチューバーになって調子こいている元舎弟を呼び出してドヤしつけると、元舎弟にメッセージが届いた。
「その人、私の父かもしれません」。
メッセージの送り主は、14年会っていなかった娘だった――長期服役によって「拘禁反応」(いわゆるムショぼけ)に悩まされる男が、ヤクザとカタギと家族と仲間と一緒になって、怒って、ヘコんで、笑って、泣いて、まっすぐに、兵庫・尼崎の夏を駆け抜ける。
狂っているのは、俺なのか、世界なのか。
(底本 2021年9月発行作品)
更新中です。しばらくお待ちください。