ニコデモ
名もなき天才音楽家の軌跡と奇跡。
昭和初期、瀬名ニコデモは、ある裕福な実業家のもとに生まれ落ちた。
眉目秀麗、神童の名を恣にし、父親の方針でパリへと留学をする。
時は第二次開戦前夜、音楽の道に己の生涯を捧げようとするニコデモは、伝手を頼って、評判の音楽家の門を叩く。
彼女から滋養のようにして吸収した音楽の知識は比肩するものなし、との域に達するものの、なぜか自らの手で作曲することができなかった。
そこには、日本を立つ前の小旅行で遭遇した、ある奇怪な出来事が影響していた。
物語は、その後、騙り手を変えながら、現代まで続いていく。
そして、にわかには信じがたいような、ある不思議なことが起こる。
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