消える息子
親子の前世を巡るタイムトラベルミステリー。
妻子をつれて相模湖の遊覧船に乗った日。
公務員の日常は、異世界に入り込んだ。
「ぼく、あそこで殺されたんだよ」宮津和夫は就学前の息子から謎の言葉を聞いた。
息子の首元には縞模様が浮かびあがっている。
以来、和夫も水辺で男を絞め殺すという悪夢にうなされる。
過去の新聞記事を調べるなか、和夫は三十三年前に相模湖で発見された水死体の存在を知る。
息子の発言と事件の間に、奇妙な符合をみた和夫は、こう自問せざるをえない。
自分は前世で人を殺めたのではないか? 息子の精密検査のため、病院にいた和夫は、突如身の回りに違和感を覚えた。
視界が歪む。
足元に亀裂が走る。
気づいたときには、バスに乗っていた。
何かがおかしい。
駅前にあるはずの高層ビルが存在しなかった。
昭和五十年の東京・八王子だったのだ。
そこで和夫は、自らの出生に関わる驚愕の真実を知り……。
練達の作家が放つ、極上のタイムトラベルミステリー!
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