燃えよ、あんず
ある本屋に集うぽんこつたちの人生の喜悲劇。
下北沢にある小さな書店・フィクショネスには、なかなかにぽんこつな面々が集っていた。
本を愛しすぎているあまり、商売にはうまく結びつかない店主、物静かだけど筋金入りの「ロリータ」愛読者、大麻合法を真面目に主張する自由人、大手企業で管理職に就く何を考えているかわからない美形男性、そして、決して本を買わずにひたすら店で油を売り続ける、どこか憎めない女子・久美ちゃん。
そんな彼女には、しかし、新婚間もなく不幸が訪れる。
それから十数年が経過したある日、久美ちゃんがお店にふらりとあらわれた。
同じく懐かしい顔の男を伴って。
※この作品は単行本版『燃えよ、あんず』として配信されていた作品の文庫本版です。
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