それいゆ文庫 世界は明日、滅びました。(きみのせいで)
愛が憎悪に相転移する――彼女に告白すると必ず刺し殺される。
繰り返し俺を襲う悪夢とデジャ・ヴュにどんな意味が……?「す、す、す……好きなんだ! 俺と付き合ってください!」一世一代の告白。
彼女が微笑む。
なのに、彼女は俺を包丁で刺す。
にっこり笑いながら。
死んでよ、宇佐美くん。
そうすれば終わるから、世界が――。
高校生・宇佐美隼人は憧れの上月日実花に告白すると必ず刺し殺されてしまうという、リアルすぎる悪夢に悩まされていた。
ゾンビのような徘徊者が近所の公園に現れ、謎の易者に「女難の相が出ている」と告げられ、既視感に次ぐ既視感、隼人の現実は悪夢に侵食されつつある気配。
告白を決意した夏休み前日、日実花は実に可愛らしく、買い物デートに誘われていい雰囲気に。
だが、またまた刺し殺される悪夢。
いや、そもそも悪夢ではなく、これが現実? 夢と現、その境目があいまいになっていく中で、隼人は自分が夏休み前日の半日を何度も何度も繰り返し経験していることに気づくのだった。
そしてついに日実花の包丁から逃れた時、「わたしのこと『好き』って言ったら、わたしに刺されて死んでくれないと世界が終わらないよ」という日実花の言葉とともに隼人の周囲の世界が音を立てて変貌していく――
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