サマータイム・アイスバーグ
その恋心だけは、あの夏で凍ったままーー。
真夏に突如現れた巨大な氷山が騒動になる中、三浦半島にある高校に通う進たちは、鬱屈とした夏休みを送っていた。
かつては仲の良いグループだった進と羽と一輝だが、一年前のある事故が原因で、今はぎこちない関係が続いている。
幼馴染を一時的に失い、無力感に苛まれる進。
外見は美人で男子からも人気があるが、弱く、ずるく、そしてそれを人のせいにしてしまう自分が好きになれない羽。
秀才で文武両道の優等生だが、自身ではどうすることもできない悩みを抱える一輝。
ある夜、氷山の現れた海岸で進は一人の少女と出会う。
身元の分からない謎の少女は、一年前の事故以来、昏睡から醒めない進の幼馴染とそっくりで……。
少女の正体が分からないまま、「楽しい夏を過ごしたい」という少女の希望を叶えるため、進たちは奔走することに。
しかし、氷山出現の秘密が明らかになるにつれ、進たちの手には負えない大きな力が少女に迫る。
少女を元いたところに帰すためーー。
それぞれの淡い恋心や悩みを抱えたまま、進たちは氷山を目指す。
第16回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞。
煌めく夏の青春の輝きを閉じこめた、宝石のような物語!※「ガ報」付き!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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