小さなことばたちの辞書
ことばに生涯を捧げた女性を描く珠玉の一篇。
「生きるということは、ことばを集めることだ――べつに辞書編纂者でなくても。
エズメがそれを教えてくれる」――国語辞典編纂者・飯間浩明 19世紀末の英国。
母を亡くした幼いエズメは、『オックスフォード英語大辞典』編纂者の父とともに、編集主幹・マレー博士の自宅敷地内に建てられた写字室に通っている。
ことばに魅せられ、編纂者たちが落とした「見出しカード」をこっそりポケットに入れてしまうエズメ。
ある日見つけた「ボンドメイド(奴隷娘)」ということばに、マレー家のメイド・リジーを重ね、ほのかな違和感を覚える。
この世には辞典に入れてもらえないことばがある――エズメは、リジーに協力してもらい、〈迷子のことば辞典〉と名付けたトランクにカードを集めはじめる。
大英語辞典草創期の19世紀末から女性参政権運動と第一次世界大戦に揺れる20世紀初頭の英国を舞台に、学問の権威に黙殺された庶民の女性たちの言葉を愚直に掬い上げ続けた一人の女性の生涯を描く歴史大河小説。
2021年豪州ベストセラー1位(フィクション部門)、NYタイムズベストセラーリスト入り。
「ことば」を愛するすべての人に贈る珠玉の感動作。
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