火床より出でて
鬼才が放つ恐るべきハードボイルドミステリ!誘拐されて殺された目も鼻もない子供。
彼は黒い山肌を這い登ってゆく。
誰も待つことのない賽の河原をさまよいつづける――。
男は大きな夢を持っていた。
それは、殺人事件の加害者の心の暗部に直接働きかけるケア・センターづくり。
しかし、その慈愛に満ちた男はいったいどこに消えてしまったのか。
彼との再会を願う殺人犯の娘のため、探偵は過去の闇へと分け入る。
そして、すでに解決したと思われた事件は、探偵の前に驚くべき異なった貌を現わす。
コミック界の鬼才が、ミステリに挑戦して大きな反響を呼んだ傑作、待望の文庫版を電子化!『追憶の夜』を改題のうえ、加筆改稿して新たに世の中に問う問題作。
著者プロフィール山上たつひこ(やまがみたつひこ)1947年徳島県生まれ。
70年、ポリティカルフィクション「光る風」。
72年、ギャグ作品の「喜劇新思想体系」。
74年、「がきデカ」。
87年、初の短篇小説「カボチャ通り」を発表。
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