クイックセーブ&ロード
僕はなぜ、どうして記憶喪失になったのか。
夢を見ていた。
自分が死ぬ夢。
暴走トラックによる轢死から始まり、高いところからの転落死、刃物による失血死、劇薬による中毒死、果ては海に身を投げての溺死まで……、あらゆる場所、時間、手段で幾度となく死に続ける夢の中の自分。
肉体が破壊され、生命が停止した次の瞬間には、また再生した肉体で新たな死の状況に追いやられている、そんな地獄のようなビジョンの連続。
その悪夢からようやくと目覚めた時……僕は病院のベッドに横たわっていた。
目の前に座っているのは、幼稚園からずっと同じクラスの幼馴染み、梓由衣。
彼女から告げられた驚きの事実……現在、僕は中学三年生で、いまは夏休みの最中なのだという。
僕は中学受験の日から、中学三年の夏休み前までの記憶を喪失していた。
学校に復帰しても、周囲の反応に戸惑うばかりの日々。
自分自身の過去の謎を探る過程で、奇妙な噂を聞く。
それは「クイックセーブ&ロード」と呼ばれる、まるでゲームのような都合のいい魔法の話。
学校で街で、魔法を信じた子どもたちが次々に命を絶ってゆく。
噂は僕までも渦中に巻き込んで広がっていく……。
生と死の狭間にいる少年の推理ロマン、いよいよ完結!!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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