絶対女王にゃー様
にゃー様、僕に会ってみたいと思いますか?「ぴんぽーん!」チャイムの代わりに甲高い声が響き輪久はベッドから跳ね起きる。
聞き覚えのある声。
玄関の鍵をがちゃがちゃと開く音。
「あ、兄様」別居しているはずの妹の顔。
輪玖は慌ててノートパソコンを胸に抱きかかえる。
「お前は何がしたいの?」「兄様のお部屋チェックですが」「だからなんのために」 「知っておきたいじゃないですか、だって兄様とは今日から一緒に暮らすのですから」片親である父・樽人氏の居ぬ間の、突然の妹の来訪。
にゃー様との関係を秘密にするため、輪久はパソコンを死守し続ける。
そして、妹の目を盗んで、今夜も絶対女王にチャット・イン!「おはようございます☆」──デートの待ち合わせみたいですね。
「ふふふ、じゃあらぶらぶデートしちゃいましょう」奴隷の輪玖はにゃー様に囁きかける。
僕にはにゃー様がいればいいんです。
三次元はみんな嫌いです。
イミテーションの結華。
イミテーションの妹。
イミテートすらできない香苗。
みんなくすんだ肌色をしています。
ただにゃー様の声だけがきらきらと光っています……絶対女王の宮殿に迷いこんだ少年の顛末やいかに?※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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