P+D BOOKS 海市
親友の妻に溺れる画家の退廃と絶望を描く。
妻子ある画家・渋太吉は、伊豆の海村で蜃気楼のように現れた若き女性・安見子との道ならぬ恋に溺れていく。
渋はかつて一緒に死ぬ約束をした女性を裏切り、妻とは離婚寸前の状況にあった。
やがて、安見子は親友の妻であることが判明するが、彼女への思慕は変わらず、肉体関係を続けていく。
恋愛の幾つかの相を捉え、著者が得意とするカットバック手法で、それぞれの愛憎劇が複層的に展開されていく。
福永武彦が、退廃と絶望の中の愛の運命を描いた佳作の復刊に、著者の長男・池澤夏樹氏が解説を特別寄稿。
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