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悲しみの港

北へ旅立つ静枝と及川晃一の「一夜の情事」。
故郷の静岡県藤枝で若き小説家が探し求める自我の新しい船出。
東京から故郷の藤枝に舞い戻ってきた及川晃一は、父の会社の事務員・三輪静枝と出会う。
晃一の書いた小説を静枝が借り出して読んでいることを知り、二人の距離は急接近していくのだが、静枝にはすでに婚約者がいた。
晃一が現れたけれど、結局、静枝は婚約者の求婚を受け入れ、会社を辞めて北へ旅立つという。
だが、惹かれ合う二人は送別会の夜、ついに結ばれるのだった。
朝日新聞に連載された「内向の世代」の代表的作家・小川国夫の自伝的長編小説の後編。
1994年、第5回伊藤整文学賞受賞作。




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