砂の交渉 日米合弁
二転三転する日米合弁事業の攻防の行方は! ファミリーレストラン業のサマリン社員山崎和也は、砂漠のまん中にあるアルバカーキ-に到着した。
アメリカ大手のレストランチェーン、ジョーンズとの合弁事業を進めるために、現地法人の社長井上恵子と交渉に臨んだ。
社長の吉村の意を受けた和也に、この件は吉村と対立する副社長の境が進めていることがわかってきた。
副社長グリンスタインは、最初の交渉でジョーンズの日本でのフランチャイズ権の買い取りやジョーンズ買収などをほのめかせ、和也を慌てさせた。
その後の合弁交渉は、総論ではまとまるものの進展しない。
そして、サマリンの同僚が寝返ったのではという疑惑が起こり、次いで吉村が権利を持つ米国現地法人が、名前を他人の物にすり替えられていた。
本当のところは何が起こっているのか? さらに、和也にはアメリカにいる別れた妻と娘に会うためにも、この合弁交渉を成功させたかった。
しかし、事態はさらに大きく動き……。
いよいよ、ジョーンズ会長との直接交渉が行われることになった。
会社は誰のものか?男が守るべきものとは? 今年度の日経小説大賞の受賞者による、国際色豊かな経済小説。
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