移動動物園
復活した悲運の作家、幻のデビュー作。
『海炭市叙景』で奇跡的な復活を果たした悲運の作家、佐藤泰志のデビュー作の文庫版を電子化。
山羊、栗鼠、兎、アヒル、モルモット…。
バスに動物たちを乗せ、幼稚園を巡回する「移動動物園」。
スタッフは中年の園長、二十歳の達夫、達夫の三つ上の道子。
「恋ヶ窪」の暑い夏の中で、達夫は動物たちに囲まれて働き、乾き、欲望する。
青春の熱さと虚無感をみずみずしく描く短篇。
他に、マンション管理人の青年と、そこに住むエジプト人家族の交流を描く「空の青み」、機械梱包工場に働く青年の労働と恋愛を描写した「水晶の腕」を収録。
作者が最も得意とした「青春労働小説」集。
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