自らの体験を基に、終末医療のあり方を問う定年退職後、平凡な人生を楽しむ夫に肺癌の診断が下された。<br />看護の現場に長く携わり、多くの病人やその死と向かい合ってきた妻は、突然の身内の発病にうろたえる。<br />誰にもぶつけようもない後悔と悲しみ、不安、怒り……。<br />そして、手術はしないと決断した夫とともに、夫婦二人の「生きる」闘いが始まった。<br />医療小説の第一人者が自らの体験を基に描いた問題作。<br />看護とは、家族とは? さらに、医療従事者や終末医療のあり方をも問う。<br />