かみがかり
髪型を変えれば、人生は前向きになる! 学校職員の須川沙紀は、気が弱くて後輩にも強いことがいえない性格で、仕事はできるのだが回りからなめられていた。
しかも、ワンマン経営を行っている理事長の命令で、架空の議事録作成もさせられていた。
これは、理事長の横領や背任を正当化することになっていた。
思い切って髪形を変えようとした沙紀は、初めての理容店に行ってみる。
睡魔に襲われて起きた沙紀の眉毛は、これまでと違ってきりっと細く吊り上がっていた。
すると、周囲の人間の反応が変わってきた……(「眉の巻」)。
ひとり暮らしの岩瀬かえでは、帰宅したマンションで泥棒と鉢合わせしてしまう。
恐怖の中で犯人は撃退したが、その日は会社の同僚の家に泊まった。
翌日、自宅の錠を変えベランダに防犯対策を施したかえでは、髪形を変えることにした。
雨に降られて雨宿りしたのが理容店だったため、そこで髪を切ったのだが、気持ちよく寝ているうちにオドロキの髪になっていた……(「守の巻」)。
仕事で追い込まれている人も、私生活が冴えない人も、髪形を変えれば人生は前向きになる!ある町の女性理容師の店で始まる、胸のすくような6つの物語。
『わらの人』を改題しました。
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