マザー
消された記憶と謎の都市伝説に迫るミステリ彼はこの世界から消されてしまったのかもしれない――。
メジャーデビューを夢見て高校卒業と同時に上京した佐川夏実は、吉祥寺で毎週木曜日にストリートライブをしている。
そんな夏実のバラード〈不在証明〉は、彼女のおぼろげな記憶の中にいる彼氏を歌った曲。
彼との思い出が断片的によみがえることもあるし、ツーショット写真も手元にある。
だが、写真を見ても夏実にはそれが誰なのか名前さえわからず、写真を撮ったときの記憶もなかった。
これは恐ろしく‘都市伝説的’な事態だ――。
吉祥寺の恵晟大学で「都市伝説研究会」というサークルを主宰する伊神雄輝は、世の中に流布する数多の‘伝説’の真相を究明していた。
最近もっぱらの話題は、「イレイザーヘッド」により記憶を消されるという都市伝説だったが、あるとき雄輝の携帯に奇妙なソフトが届く。
そのソフトを使えば、誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという。
めくるめく展開と謎解きのスリル、そして予測できない結末が待ち受けるミステリ長編。
夏実が歌うおぼろげな記憶と、雄輝が追う謎の都市伝説がシンクロし、やがて二人の人生を大きく揺り動かしてゆくとともに、内包された壮大なテーマが明らかに!
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