ななかさん
第4回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞。
俺は電車のなかで居眠りをしていた。
ラブコメマンガのヒロインななかさんとキャッキャウフフする2次元ドリームを見ていた。
「ウホッ」という声で目をさますと、近くにいたオッサンが「やらないか」とか言ってきた。
俺は夢で美少女にツンツンしていたはずが、そっち系の見知らぬオッサンにモーションをかけてしまっていたようだ。
アーッ!俺はチカンじゃない! そういう趣味もない! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…といくら謝っても「嘘だッ!!!」と認めてくれない。
「やめなさい!」――そこに現れたのはひとりの美少女。
どこかで会ったことがあるような。
っていうか、さっき夢で!「電車内での性行為はつつしんでくださいよ!」ちょ、おま! ちげーよ!「……ははァん。
こりゃあ俺たちの仲を引き裂こうってハラだな?」そう言ってオッサンはななかさんに激似の少女にフリッカージャブを繰り出すも、彼女はデンプシーロールを駆使してボッコボコに!まじパネェ。
……それが、俺が絶賛片思い中の二次元の女の子‘ななかさん’によく似た謎の美少女との出会いだった。
第4回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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