祝福
尊厳ある死を迎えるための老詩人の試みとは。
広告制作会社でクリエイティブ・ディレクターとして働く42歳の私は、CF撮影で17歳のモデル、サキと知り合う。
自宅が近いということもあり、サキを送って行くが、彼女は途中コンビニに立ち寄り、大量のパンと菓子を買い込み、「あなたの部屋に連れて行ってください」と懇願した。
私の家に着くと、サキは購入した食べ物を一気に食べ、今度はそれをすべて吐いた。
案じて私がサキの肩を抱くと、彼女は「あたしと、セックスしたいですか」と訊く。
そして、「でも、するのは祖父の部屋だけにしてください」と続けた。
後日、サキの祖父の部屋に行くと、そこには斑ボケの始まった78歳の老詩人、長谷川がベッドにひとり横たわっていた。
長谷川はすでにほとんど寝たきりで、下の世話も自らままならずの状態。
私はサキに頼まれ、長谷川を風呂に入れるが、老詩人の刺激的な言葉に共鳴するものを感じるのだった。
以後も長谷川の部屋を訪れることになる私だったが、ある日、この老詩人の口から、彼が心に秘めていた計画を打ち明けられるのだった。
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