猫のほそ道 ノラ猫俳句旅
ノラは子猫を探し「奥のほそ道」の旅に出た。
《我が家の老猫ノラはある日コツゼンと姿を消しました。
ノラは、芭蕉さんの「奥のほそ道」の旅に出たのだと思うのです。
消えてしまったノラの念力をいただいてこの話ができました。
》東京から松島へ、そして平泉へ、ノラの旅はつづく。
登場する猫たち――ボイシー、トーちゃん、ニャー水、ネコ尼、ネコ丸……いずれも個性豊かで、みな俳句を詠む。
句会はもちろん、連句(五七五の句のあとに七七の脇をつける)もあるし、句合せ(持ちよった句の勝ち負けを決める)もある。
全篇に猫たちが詠んだ句があふれ、人気猫イラストレーター・浅生ハルミンの絵も多数収録された(カラーも5点)傑作猫物語。
文庫化に際して全篇にわたり加筆訂正した完全版、待望の刊行。
全14章、見出しは全て俳句。
猫たちの句の一部をご紹介:片すみに猫がかたまる走梅雨/老猫の小さな足に西日さす/みちのくの涼しさつげよ猫の旅/水を飲む猫の小舌に秋の風/渋柿の花散る里に帰りゆくそして連句――スーパーの煮干しの固き余寒かな ノラ貧しき家にけふもいついて トーちゃん
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