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君のいない町が白く染まる

第18回小学館文庫小説賞受賞、泣ける恋! 3月23日、僕は高円寺に引っ越した。
駅を出ると、炭に焼かれる焼き鳥の匂いが鼻腔をくすぐり、路上ライブの弾き語りが響いてくる。
僕の社会人生活がいよいよここから始まるんだと思いながら眠った深夜、幽霊のアカネが現れた。
この世を彷徨い続ける彼女はここに置いてくれと懇願してきた。
正直に言おう、僕は極度の怖がりである。
生きてる人間は怖いが、死んでる人間なんて気絶する。
とにかく呪いが怖い僕に選択肢などない。
アカネを追い払えず幽霊と同居することになったのだ。
その結果、僕はアカネにどうしようもなく恋してしまった。
これは、12月24日深夜に彼女をあの世に見送るまでの、僕の恋の日記であり、彼女を取り巻く人達の話だ。
――アカネ、僕は君をどうすれば引き留められたのかな。
第18回小学館文庫小説賞受賞作!




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