実母の女優人生を愛惜を込めて描いた力作。<br />時は大正二年――当時まだ珍しかった聚楽館の養成所女優となるも、周囲からは色眼鏡で見られ、鳴かず飛ばずの日々が続いていた横田シナ(後の女優・三笠万里子)。<br />だが、作家・佐藤紅禄との運命的出会いによって、シナの運命は大きく舵を切っていく。<br />草創期の関西新劇界を舞台に、紅禄との恋愛や葛藤、修羅場の中を生き抜いたシナの激動の生涯を、実の娘である著者が愛情豊かに描いた感動作。<br />