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がいなもん 松浦武四郎一代

‘北海道の名付け親’を描いた決定版小説! 明治16年。
齢60を過ぎても矍鑠としている松浦武四郎は、絵師の河鍋暁斎の家にやって来ては、暁際の娘の豊に昔語りを始めるのだった――。
武四郎は、文化15年に伊勢国、今の三重県松阪に生まれた。
早くから外の世界に興味を持ち、16歳で家出する。
その後は、蝦夷地をはじめ日本全国を歩いた冒険家として、また‘北海道の名付け親’として知られる。
蝦夷地は6回も訪れ、アイヌと親しく交わり、9800(!)ものアイヌの地名を記した地図を作り、和人による搾取の実態を暴いて公にしたため、命を狙われた。
そして、〈北海道〉は最初の提案では、〈北加伊道〉だったという。
そこにはアイヌの人々に対して籠められた武四郎の思いがあった。
蝦夷地通として、吉田松陰や坂本龍馬にも相談に乗っていた。
ただ、武四郎の凄さはこれだけではない。
古銭をはじめとして一流の蒐集家であり、古希の記念に富士登山をしたり、葬儀の一部始終を記した遺言状を作ったり、一畳敷の茶室を自分の棺にしようとしたり、〈終活〉にも達人ぶりを見せていた。
武四郎老人が自らの生涯を振り返るという形式で、「傑物にして奇人」であった全貌に迫る伝記小説。




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