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空飛ぶ卵の右舷砲

その回転翼が終末世界を切り拓く。
人造の豊穣神・ユグドラシルによって繁栄を極めた近未来。
人類は植物を自在に操り、時にはビルさえ‘育てていた’。
そんな文明絶頂期の中で、『大崩壊』は起きた。
世界人口の半数以上が死に絶え、各地ではあらゆるシステムが麻痺。
さらに突如現れた樹獣、樹竜と呼ばれる異形の怪物たちによって、人類はあっという間に地上から追放され、その拠点を人工の浮島・海上都市へと移した。
『大崩壊』から数十年。
小型ヘリ<静かなる女王号>を操り、樹竜狩りを生業とするヤブサメ。
彼は妹が患う奇病を治すため、師であり相棒でもあるモズとともに仕事をこなしながら、日本各地を飛び回っていた。
そんな中、二人は東京第一空団副長セキレイの窮地を救い、その腕を買われて旧都市・新宿での大規模探索作戦への同行を依頼される。
彼らを必要とするセキレイはヤブサメにこう囁きかけた。
「この作戦の成功は、キミの妹の病を治す事に繋がるかもしれない」 しかし新宿は「帰還不可能」とも噂される、Sクラスの危険地帯。
割に合わないと、モズは難色を示すのだが――これは鋼の翼と意志で空を駆り、樹竜を狩る者たちの物語。
第12回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作。
※「ガ報」付き!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。




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