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脱藩さむらい

割れる藩論に引き裂かれた夫婦の運命は?「謀反を企んで出奔した、妻の実弟を斬れ」、石見国浜岡藩大目付・平岩左内から密命が下った。
意に沿わぬが、逆らえるわけもない。
同心頭の香坂又十郎は義弟・兵藤数馬を追うべく、藩を後にした。
一路東へ、妻の万寿栄を残したまま――。
そして、足を踏み入れた江戸。
覚悟を決め、数馬をあの世に送った又十郎だったが、藩の身勝手な事情により、脱藩者扱いにされてしまう。
さらに、江戸屋敷の目付・嶋尾久作が、非情な裏の仕事まで押し付けてくる。
いったい浜岡藩では、今なにが起こっているのか……。
数馬が最期に口にした、「江戸、下屋敷、筧道三郎は――、筧には」という謎めいた言葉を頼りに真相を探ろうとする又十郎。
しかし、国元の妻を人質にされたうえに見張りまでつけられ、思うように動けず、なかなか真相にたどり着けない。
公儀に抜け荷を疑われ、必死に闇で闘争を続けてきた浜岡藩だが、本当に潔白なのか? まさか、公儀が捏造しようとしているのか? そして、筧道三郎とは敵なのか味方なのか? 見張りの目を盗み、万寿栄へ送った抜け文が事態を大きく変えるが……。
再び最愛の妻と抱き合うために、正義の田宮神剣流を振るう! 大河時代小説シリーズ第3弾!




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