廃妃は再び玉座に昇る 耀帝後宮異史
血染めの廃妃、後宮に帰還す――。
「おまえを廃位する。
しかるのち、極刑に処す」 花婿である皇帝、司馬雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた劉美凰の心を容赦なく引き裂いた。
残虐非道な稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛をほしいままにしていたがゆえに、美凰は婚礼の夜に起きた政変で断罪され、天下万民の怨敵として刑場に引っ立てられた。
そして十年の歳月が流れ、雪峰の崩御後に皇帝となった司馬天凱は、廃妃劉氏――美凰が幽閉されている離宮を訪ねる。
都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。
幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美凰はいまだ怨憎が煮えたつ禁城に舞い戻る。
こたびは紅の面紗をかぶった天子の花嫁ではなく、白き喪服をまとった、皇太后として――。
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