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不在者 家裁調査官 加賀美聡子

三億円の遺産がかかった失踪事件を追う!さいたま市の古い荒ら屋で、老婆が亡くなった。
中原トミ、九十七歳。
夫に先立たれて三十年、一人でつましく暮らしていたトミには三億円の遺産があった。
相続人は三人の孫たち。
しかし、「三男の子の薫にすべての遺産を与える」と書かれた遺言書が見つかった。
薫は就職して二年目に失踪しており、二人の孫は遺産を得ようと、薫の失踪宣告を申し立てる。
さいたま家庭裁判所の家事調査官・加賀美聡子は、薫が生死不明になった時期を特定するため、彼の消息を調べ始める。
その中で浮かび上がってきたのは、幼少時から児童養護施設で育ち、母親の咲江に歪な形で支配されてきた、薫の壮絶な人生だった――一方、東京家裁の離婚調停で’替え玉事件’が発生する。
愛人の子を妊娠した妻が出頭させたのは’偽物の夫’だった。
欲にまみれた人々の争いの渦中に身を置きながら、調査を進めていく聡子が辿り着いた衝撃の真実とは。
『誤算』で注目を集めた稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のクライム・サスペンス。




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