P+D BOOKS ある女の遠景
理性では割り切れない愛欲の強さを描く。
維子の敬愛する叔母・伊勢子は、軍需工場の社長でのちに政治家になる泉中紋哉の愛人だった。
紋哉は、妻と別れて伊勢子と一緒になる、といいながら、一向に実行する気配がない。
そのうち、伊勢子は和泉式部伝説の残る東北の温泉で自死してしまう。
維子は紋哉に恨みを抱くが、同時に自分勝手で男くさい紋哉に次第に心惹かれていき――。
伊勢子の日記に描かれていた過去と、やはり夫のある身で愛欲におぼれた和泉式部のそれを照らし合わせながら、維子の生き方を赤裸々に描いた、第5回毎日芸術賞受賞作品。
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