ハル遠カラジ
人とロボットの親子の旅路、ついに終着へ。
「……次はこの子が、自らの幸福を掴む番ですから」ライドーに連れ去られたハルの行方を追い、極東のウラジオストクに到達したテスタとイリナ。
そこでは生き残った人間たちが、飢えや貧困に苦しみながらも、地下に街を築いて生活していた。
ハルの行方の手がかりをつかむため、さらには知性機構に損傷を負ったアニラの修理のために、表向きは地下住人に従うテスタたち。
テスタは人工知能たちが作り上げた宗教機構・Atheistの構成員が地下にいることを知り、その者と繋がりを持つというAI研究者・オルガとの接触を待ち望む。
しかし、突如現れたダスマンの襲来によって、テスタは地下に漂う不穏の正体を知ることに。
さらには、人間を消失させたバベルの真の目的にも期せずして近づいていく。
バベルとはいったい、何者だったのか。
彼女はなぜ、言語を放棄した『人間』を造ろうしたのか。
真実に触れたとき、テスタは思いがけない形で主人との再会を果たすことになる。
苦悩と罪、後悔と自責。
その末に、テスタが親として下した最後の決断。
獣だった娘と、病を患った軍用ロボットの親子の旅路は、ついに、終着を迎える。
※「ガ報」付き!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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