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十の輪をくぐる

2021年へ!時代を貫く親子三代の物語。
スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。
あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は……東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。
泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。
51年前――。
紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。
夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。
そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。
泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。
それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて――。
1964年と2020年、東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作!前作『あの日の交換日記』が大好評!!いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!!




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