殻割る音
涙も愛も包み込む、奇蹟のオムレツ!室本さくらは中学受験生の女の子。
ある日、家庭科の調理実習で作ったスクランブルエッグが友人たちに絶賛されたことがきっかけで、料理の楽しさに目覚める。
そんなさくらの母・泉は料理が苦手。
「家でも料理をしたい」と訴える娘に、受験勉強と両立させることを条件に、母はしぶしぶキッチンを使うことを許してくれた。
さくらの願いは「お母さんと一緒に料理をすること」。
そのために、家族の思い出に残るオムレツを作ろうと決意する。
プロが作るトロトロふわふわのオムレツを目指して孤軍奮闘するが、なかなかイメージ通りに作ることができない。
両親へ料理を振る舞う日は、すでにさくらの中で決まっていた。
その日に向け焦りが募るあまり、母とのある約束を破ってしまう。
母の逆鱗に触れ料理禁止を言い渡されたさくらは意気消沈するが、祖母が作ってくれた温かな料理に心を揺り動かされ、もう一度挑戦してみようという気持ちを取り戻す。
さくらは受験勉強とオムレツ作りの両方をクリアすることができるのか。
そして、母と一緒にキッチンに立つという夢はかなえられるのか。
引っ込み思案な少女がその殻を打ち破っていく姿に、心が熱くなる成長物語。
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