官能文学電子選集 雨宮慶『令夫人・魔淫の園』
裸身を震わせ喘ぐ社長夫人。
隣では社長令嬢が悶え狂う。
すべてをかなぐり捨て、女達はひたすら欲望を貪る。
現在、探偵をしている阿久津には耐えがたい屈辱の過去があった。
かつて下着メーカーの敏腕営業マンだった彼が出張より1日早く帰ってくると、妻の裕子が裸のまま縛られ、恍惚の顔を浮かべていた。
相手の名前を聞き出そうとするも決して口を割ることはなく、離婚届を置いて阿久津の元から忽然と姿を消していった。
そして、あることから相手の男が自分の同期で、直属の上司でもある白木政彦であることがわかるが、阿久津の方が左遷に追い込まれて会社を辞める羽目になる。
会社を追われ、探偵になった彼の元に、現在は滝沢社長の令嬢・麻紀と結婚して次期社長候補となっている滝沢(白木)政彦の身辺調査の依頼が入ったのだ。
阿久津は政彦と同時に麻紀の身辺調査も開始したところ、麻紀が年下のテニスコーチと不倫していることを突き止める。
そして、麻紀と’取引’で彼女の体を奪う。
当初は抵抗していたものの、阿久津の変態チックなプレーの虜になってしまう。
一方、政彦はというと滝沢社長の後妻・舞と不倫していた。
つまり、義母と禁断の関係を持っていたのだ。
そのことを知った阿久津は艶めかしい舞にも’取引’を持ちかけ、舞をおもちゃにする。
そして舞もまた阿久津のテクニックで快楽に溺れていく。
滝沢社長の性癖も調べ上げ、滝沢一族の秘密を握った阿久津は、かつての怨念を果たすべくある復讐劇を思いつく。
それはなんとも淫靡で、滝沢一族を崩壊させるにはもってこいの計画だった……。
団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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