置き去りのふたり
大好きだった彼が死んだ――心中だった。
みちかと太一が大学で出会った空人は、明るく誰からも好かれる人気者だった。
二人は空人に密かに恋心を抱いていた。
しかし、卒業から一年後。
空人が死んだ。
心中だった。
さらに空人の胃からは心中相手の小指が発見され、事件はマスコミにも大きく取り上げられた。
空人の死がセンセーショナルに伝えられる一方、空人に想いをよせていた太一とみちかは、あまりに現実感のない事態を前にし、彼の死を受け入れられず葬儀でも涙一つ流せないでいた。
ところが、そんな二人のもとに一通の手紙が届いたことで状況は一変する。
手紙には空人の字で「俺はふたりをいつまでも恨んでいるよ」と書かれていて――。
最愛の人の突然すぎる死と、悲しすぎるメッセージ。
彼はなぜ、死を選んだのか。
置き去りにされた二人が巡る、喪失と再生の物語。
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