死はすぐそこの影の中
ピアノ調律師の一藤麻衣子には、忌まわしい記憶があった。
父親の死を期に、母子で身を寄せた愛媛の山奥の小さな村。
今はダムの底に沈んでいるその村で、少女時代の麻衣子が目撃したもの。
それは村長であり、麻衣子の庇護者だった伯父が熱湯で茹で上げられた全裸の惨死体だった。
伯父の肩に刻まれた十字の焼印。
囁かれる隠れキリシタンの呪い――。
村を捨て東京へ逃れ、ひっそり暮らしていた麻衣子だったが、ある人気女性ピアニストとの出会いから、運命の歯車が過去へと動き出す…。
やがて明らかになる悪意の真相とは?2017年日本推理作家協会賞受賞後初の長編ミステリー!
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