太物店『山形屋』の主は、店に置き忘れられた三十両の持主探しに嫌気がさしていた。<br />貼紙をしても現われるのは偽者ばかり。<br />ついに本人かと安堵するも、受け取りに来たのは代理の男だった。<br />それでも主は男を信用するが、話を聞いた青柳剣一郎はあまりの大金と都合のよい話に不審を抱く。<br />しかし、男はすでに行方をくらましていた。<br />同じ頃、掏摸の死体が発見され…。<br />