夜の向こうの蛹たち
小説家の織部妙は順調にキャリアを積む一方、どこか退屈さも感じていた。
そんなある日、‘美人作家’として話題の新人、橋本さなぎの処女作に衝撃を受ける。
しかし、文学賞のパーティで対面した橋本の完璧すぎる受け答えに、なぜか幻滅してしまう。
織部の興味を惹いたのは、橋本の秘書である初芝祐という女性だった。
初芝への気持ちを持て余す織部は、やがて「橋本さなぎ」の存在に違和感を抱くようになる。
その小さな疑惑は開けてはならない、女同士の満たされぬ欲望の渦への入り口だった……。
「第13回エキナカ書店大賞」受賞作家の最新作。
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