《宰領屋》矢藤太の許に大店両替商《近江屋》から、唐木市兵衛を名指しで仕事の周旋依頼があった。<br />蟄居閉門中の武州川越藩士に手紙を届けてほしいという。<br />二人は川越藩に国替えの噂があり、資金調達のため圧政下にあると知る。<br />異論を唱えた藩士も改易は必定、その時は江戸に迎えたいというのだ。<br />市兵衛は矢藤太と共に川越へ赴くが、到着するや胡乱な輩に囲まれ……。<br />