天文台の赤道儀室で「幽霊」を見たと言う早川美沙子と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。<br />だが「幽霊」は現れなかった。<br />彼女は目立ちたがり屋の嘘つきだと言われ、学校で浮いてしまう。<br />怯えながらぎこちなく微笑む彼女に、心の底から笑ってほしくてぼくはある嘘をついた―。<br />(表題作)そっとあなたの居場所を照らしてくれる、輝く星のように優しい純愛小説集。<br />