秀才旗本のつまずきが、地獄の亡者を引きずり出した!重篤の老旗本の願いに、市兵衛が見たものとは!?江戸を流行風邪が襲った。<br />蘭医柳井宗秀は、重篤の老旗本笹山卯平に請われて、唐木市兵衛を紹介する。<br />卯平は秘かに金貸を営んでおり、百両近い貸付が残る五千石の旗本広川助右衛門へのとりたての助役を依頼したのだ。<br />助右衛門は返済逃れの奸計を巡らす。<br />同じ頃《鬼しぶ》の息子・良一郎は北町奉行所に出仕、見習仲間と賭場で破落戸相手に大立回りを演じてしまい……。<br />